未曾有と言われた東日本大震災から5年が経ようとしています。津波被害に加えて東京電力福島第一発電所の事故により、長期間の避難を余儀なくされ、家族がバラバラに生活する状態が続いています。避難指示区域の指定が解除されたものの、被曝の心配等により「ふるさとへ帰る」「帰らない」という選択が、家族関係を複雑化させています。避難の長期化、避難先での孤立化により家族の弱さ・脆さが一番弱い立場にある子どもへ及ぶ事は想像に難くありません。福島県内の虐待相談件数も増加しています。
全国の児童養護施設に入所中の子どもの約6割が、虐待によるものです。虐待は子どもの心理・身体面へ大きな影響を及ぼし、障がいのある子どもも約3割と年々増加しています。かつては戦災孤児を養育していた児童養護施設の役割も様変わりし、家族がいる子どもでも、病院の受診や定期健診・予防接種などの健康管理も含め、施設の職員が養育全般にわたって心を砕いている状況です。
福島の児童養護施設ではこれらに加え、今もなお続く被曝の問題について今後も長期にわたり検査や異常の早期発見に努めていく必要があります。18歳で卒園後は、子ども達自身が健康管理できるような支援も必要です。私どもは、これまで子どもへの低線量被曝による被害を最小限にするために、継続的な検査、食材の安全性の維持、住環境の整備などを行ってきました。また児童養護施設の子どもの長期的な健康管理に役立つ健康手帳の作成、電子カルテ方式の記録システムの開発を行ってきました。
東京電力は、福島第一原子力発電所の廃炉が完了するまでには30年以上という計画を発表しています。その間、様々な形で放射性物質の放出は続いていくにもかかわらず、NPO等への助成金の多くは震災から5年で終了となっています。
様々な事情により、親元を離れ、故郷を失った子ども達は児童養護施設という新たなふるさとの中で、日々成長発達しています。この子どもたちの将来を考えると、安全だ、安心だと言って現在の活動を中止する事はできません。小さな会による活動だからこそ、皆様の温かい志は、子どもたちの身体と心の健康のために直接必要なものに使い、役立てることができます。これからも引き続きご支援・ご協力いただきます様、心よりお願い申し上げます。
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口座名称:福児童(フクジドウ) 代表 澤田和美
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